21世紀 かながわ円卓会議
11月11日葉山町の湘南国際村センターにて、NPO法人ココロまちが共催している事業『かながわから「頼り合える社会」をつくるために」と題したイベントがありました。法人代表の加藤忠相がディスカッション討議者として参加しています。
モデレーターの慶應義塾大学教授の井手英策さんによる財政学の視点から趣旨説明がおこなわれました。趣旨説明の題は 『「経済」の視点からみた地域社会』というテーマです、経済に「」がついているのですが、本来的な意味と現代における経済の考え方の乖離があるためでした。日本社会では「経済の失敗=道徳的失敗」になってしまうことや、憲法における(25.27条)「働かざる者はくうべからず」という自己責任が強要される国であることを皮切りに経済時代の終焉、自己責任社会の黄昏などのキーワードが出てきました。そもそも経済とは何か?カール・ポランニーによるところの「人間に物質的欲求を満たす手段を提供すること」とされています。つまり①互酬…相互扶助・助け合い ②再分配…ルールに従って地域資源を構成員に再分配 ③交換…売り買い ・・・つまり③にだけ注目してきた自己責任社会が経済とされてしまっているのが今日の現状であるということ。 翻って「財政」とはなにかといえば「公共の経済」つまり互酬と再分配を意味するということがスタート地点でした。
それらの例示から討議者のすわる中央の円卓だけでなく、参加者全員がディスカッションする形式で10:15~16:20まで御昼ごはんも円卓に座り話し合う形式です。モデレーターの井手さんが冒頭「今日はひじょうによい結果を得られるような気がする」とスタートした通り、中身の濃い円卓会議となりました。