在宅ひとり死のススメ

​昨日は上野千鶴子先生のご講演「在宅ヒトリ死のススメ」を聞きにいってきました。会場はほぼ満席、我々医療介護職がいれば一般の方々も多くいらっしゃいました。

上野先生のお話は明確で分かりやすく、切れ味鋭く、時に面白く、といった具合であっという間の1時間半でした。在宅医として共感出来るところが多々ある一方、果たしてそうだろうかと思う部分もありました。

気になったのは、会場に足を運んだ方々のうち一体どれくらいの方が「自分事」になったのだろうか?ということです。「嫁の介護は昔と違ってほとんど期待出来ません、絶滅危惧種です」という発言に対して会場には笑い声があがりましたが、在宅医療を日々担う立場としてはその通り過ぎて笑える話ではありませんでした。危機感を覚え、当事者意識を持ち、行動変容に繋がる人がどれくらいいるか?ということが気になりました。

最後に質問させて頂きましたが、在宅医療に必要なものは関わる医療介護職、本人そして家族の覚悟と、日々変化する生活と気持ちを支える体制です。家族や本人がまず自分事として捉え、意思決定し、自身の生き方を決めていくそのプロセスをどう支えるか?どう構築していくか?という疑問を日々感じています。その答えはやはり「対話」だと改めて感じました。人対人なので「対話」が大切なのは当然ですね。


2016年11月21日更新
片岡侑史

片岡侑史 について

総合診療科 医師。病気だけではなく人を取り巻くもの全てを総合的に診て、人が人らしく生き、死ぬことが出来るように支えることを目指す。2017年7月現在、藤沢本町ファミリークリニックにて勤務中。