外来ソーシャルワークについて

おとなりさんオープンハウスの後東海大学へ。

目的は「地域包括ケア時代における渚としての外来ソーシャルワーク」というお題の事例検討会に参加するためです。

医学の進歩、高齢化、格差の拡大に伴い人々の人生は多様化しており、抱えている課題が複数存在することは珍しくありません。多様化に伴いどの制度の網にも引っかからず、あるいは引っかかっても不充分な支えでしかなく、生活が破綻して医療機関に繋がるケースが増えてきています。社会的入院という単語がそれを物語っています。駆け込み寺的な役割を医療機関が担う場面が増える中、医療機関を利用する人の大半が集う外来に着目し、早期からの気付きや拾い上げをどう行うか、拾い上げたあとどのように支援していくのか、何をゴールとして支援していくのかなどを検討しました。

キーワードはやはり、常日頃からその大切さを感じる多職種連携と教育だと思いました。縦割り制度の中で様々な組織と役職、肩書、職種が出来たことで皆自身がカバーする範囲を超えた領域にアプローチすることが減ったように感じるという意見もありました。拾い上げるためには領域を超えたアプローチが必要になり、それが出来る人材が少ないのは卒前教育から変えていく必要があるのではないでしょうか。世の中にある様々なツール、尺度、チェックシートを用いてシステマティックに行うことも必要かもしれません。

拾い上げたあとの問題として、あまりに多様かつ広範な地域課題である場合に1人のソーシャルワーカーが出来ることには限界がある、ということが挙げられます。それぞれの地域で福祉を担っている人材にパス出来ればいいのですが、それは座って電子カルテを見ていても分かるものではありません。本人の話を聞く、色々なところに電話する、どこかに誰か助けてくれる人がいると希望を持って探すストレングスモデル、地道ではありますが個別のケースごとにこういったアプローチが必要になるでしょう。個別のケースへのアプローチの積み重ねにより地域における福祉の担い手や公的制度外の様々な社会資源を知ることができ、それらを蓄積していくことで地域包括ケアが可能になるのではないでしょうか。

そんな話をしてあっという間の3時間でした。


2017年3月27日更新
片岡侑史

片岡侑史 について

総合診療科 医師。病気だけではなく人を取り巻くもの全てを総合的に診て、人が人らしく生き、死ぬことが出来るように支えることを目指す。2017年7月現在、藤沢本町ファミリークリニックにて勤務中。