大事なのは「人」

​今日は在宅医療カレッジに参加しました。お題は「家族から専門職への質問-こんな時、どうしたらいい?-」でした。
在宅医として日々診療にあたっていると「こんな時、どうしたらいい?」と感じることがしばしばあります。恐らくどの職種でもそうですし、ご本人ご家族にとってはそういった場面はさらに多いのではないかと思います。悩んだ時の手の1つは基本に立ち返って報連相です。
報連相の際、専門職もご本人もご家族も「この話題ならこの人にまず話しやすい」というものがあると思います。となるとまずはそこに情報が行くでしょう。その後、情報を共有して対応していくことになると思います。
報連相の際の問題点は「いつ誰にどうやって」ですかね。相性の良し悪し、時間や曜日、忙しさ、内容によって左右されるでしょう。伝える手段は緊急性、確実性によるでしょう。超緊急時は電話になるのはだいたいどのケースでも同じでしょうが、そうでない場合が悩ましいところです。
電話はする側とされる側両者の仕事を中断させる上に形に残らないという欠点があります。事業所によっては伝言ゲームになる恐れがあり、その場合は伝わるうちにニュアンスが変化してしまうことがしばしばあります。
個人的に重宝しているのがWebFAXとFacebookMessengerです。いずれもスマホやiPadから送信出来るため移動時間を有効に活用でき、形が残り、後者は誰に情報が届いたかまで把握出来ます。ICTはコストや利便性の問題や事業所によっては利用出来ないといった欠点があります。
これらの欠点を補填してくれるのが「顔の見える関係」だと思っています。どんなツールを使おうが最も大事なのは人そのものです。顔だけでなく腕と腹の中まで見えていると尚の事良く、お互いの得手不得手を理解して適切な役割分担が出来ます。チーム全員と「顔の見える関係」でなくても、何人かいればそうでない人も輪の中に巻き込めます。
「いいチーム」と感じるのはお互いの役割分担がはっきりしている時だと思います。専門職はついついホームランを狙う、試合を決める一打を狙いたがるクリーンナップの働きをしようとすることが多いですが、状況に応じてヒットも送りバントも出来る打者の方が大事ではないでしょうか。多職種連携とは言いますが専門職が目立ってもしょうがない。目立つのはご本人とご家族です。
ということで長々書きましたが、詰まるところ職種や様々なツール、言葉などではなく「人」だと思います。専門職としても大事ですがまずは「人」として、チームの一員として何が出来るかが大事です。頭の整理がついて良いセミナーでした。在宅でノルウェー疥癬なんてケースは経験したくありませんが(^_^;)


2017年2月15日更新
片岡侑史

片岡侑史 について

総合診療科 医師。病気だけではなく人を取り巻くもの全てを総合的に診て、人が人らしく生き、死ぬことが出来るように支えることを目指す。2017年7月現在、藤沢本町ファミリークリニックにて勤務中。