社会福祉士の可能性

本日(もう昨日ですが)は神奈川県社会福祉士会湘南東部支部からご依頼を頂き「『地域で最期まで生きる』を支える~在宅医療の現場から社会福祉士に伝えたいこと~」というお題で75分(本当は60分のはずが収まりきりませんでした)お話をさせて頂きました。

社会福祉士の方々を相手にお話をする機会は初めてでしたし、医療職としてお会いする機会の多い社会福祉士は医療機関や介護施設の相談員が多く、他の領域で活躍する社会福祉士の活動を直接は知らない部分もあり、依頼を頂いた時正直言ってどんな内容の話をするか悩みました。

事例を交えて欲しいとの希望もあったので、悩んだ結果自分が一体どうして医師を志したのかから始まり、医師としてどのような軌跡を歩んできたのか、どのタイミングで何を考え何をして、その結果今後何をしていきたいと思っているのか、そしてその軌跡の中で会ってきた印象的な人たちを少し交えながらお話していたらあっという間に時間が過ぎていきました。その後の質疑応答ではとても現実的な、現場で悩みながら奮闘していることが分かる質問が多くありました。

お話の中でも述べましたが、単独の職種や単独の領域で解決できる課題には限りがあります。医師は比較的、場面によっては単独で解決できる課題が多いかもしれませんが高齢化社会ではその場面も限定的です。以前とある医師から「医療をちゃんとやろうとすればするほど、医療以外の繋がりが必要であることに気付く」と言われましたがまさにその通りだと思います。医師になって11年目、その中でこういったことに気付くキッカケを与えてくれた人が何人かいますが、人との繋がりや顔の見える関係が大事であることが、自分の過去を振り返ってみても実感できました。

今日最も伝えたかったことは

・組織や制度の外に出ることの大切さ(組織内、制度内で解決できることには限りがある。窓口に来ることができる人は一握り)
・誰にとっての「支援」なのかを考えることの必要性(ごみ屋敷のごみを片付けることは本当に本人が望んでいることなのか。支援者の思い込みではないか?そもそも本当に「ごみ」なのか?)
・外に出て仲間を探すことの大切さ(1人で出来ることには限りがあっても、人と人との繋がりがあればできることは増えていく)
・専門職の前に人として、まずは味方になること。そして見捨てないこと(押し付けがましい支援は嫌がられる。それを「拒否」と表現することは本当に正しいのか?相手の意識や行動を変容させるには信頼関係構築が必須)

です。もっと話したかったことはたくさんありますが、社会福祉士という「なんでも屋」との繋がりが様々な可能性を生み出すのではないかと思いました。

写真はKuranishi Takaoさんが撮ってくださったものを拝借させて頂きました!


2018年5月20日更新
片岡侑史

片岡侑史 について

総合診療科 医師。病気だけではなく人を取り巻くもの全てを総合的に診て、人が人らしく生き、死ぬことが出来るように支えることを目指す。2017年7月現在、藤沢本町ファミリークリニックにて勤務中。