認知の変容

今日は「がん患者さんの心のケア、カウンセリングについて」というタイトルの勉強会に参加してきました。

外来でも在宅でもがん患者は多く、希望を失い絶望を感じている人が少なくありません。一度負の感情の螺旋にハマるとなかなか抜け出せず、家族を始めとした周りにいるサポーターも同様に負の感情にまみれていくことがしばしばあります。その状態からどのようにして認知の変容を促すか?がんを発症した出来事そのものは変えられませんが、それをどのように自身で認知するかは変えられる、そこが変えられれば行動も変容して生き方、ひいては死に方も変えていくことが出来るといった内容でした。

ここに書ききれないくらいたくさんのヒントを頂きました。例えば「病気になったことで得られた変化の中で、良かったと思えるものはありますか?」という質問。実際、以前診た方に「病気をキッカケに疎遠になっていた弟とたくさんの話をすることが出来ました」と仰っていた方がいたことを思い出しました。

カウンセリングには様々な手法がありそれぞれを比較した質的検討はされておらず、どれも賛否両論です。今回得た学びもその通りに当てはまる方がいれば全く当てはまらない方もいるでしょう。大切なことは、自分の知らないことを自分の中で噛み砕いて目の前の方に適するように形を変える作業をすること、その形の多様性を受け入れることではないかと思います。

病は気からという格言は正しかった、とある程度の学術的根拠を知ることが出来ただけでも大満足です。がんに限らず様々な領域で活用出来る内容だと思いました。


2016年12月12日更新
片岡侑史

片岡侑史 について

総合診療科 医師。病気だけではなく人を取り巻くもの全てを総合的に診て、人が人らしく生き、死ぬことが出来るように支えることを目指す。2017年7月現在、藤沢本町ファミリークリニックにて勤務中。