カテゴリー別アーカイブ: ココロまちスタッフより

顔の見える関係を作ろう

昨日は「顔の見える関係を作ろう@藤沢」第30回の定例会でした。今回の勉強会は鈴木洋子さんによる「訪問栄養指導」でした。

在宅医療の領域において低栄養状態にある方は非常に多いですが、まずそこに気付いていない場面が多いです。低栄養は免疫力の低下、筋力低下、ADL低下、認知機能低下などに繋がり、骨折や認知症の発症、誤嚥性肺炎の顕在化、寝たきりや廃用の惹起、そして入院、入院日数の延長、褥創発生などにつながっていきます。早い話、低栄養があったらそれをどうにかしないといくら機能訓練や薬の調整をしても効果は限定的ということです。

しかしながら長年様々な経験をしながら生きてきた人生の諸先輩方に「指導」をすると「余計なお世話」となることが多いです。ですので、専門性を前面に出さず、信頼関係を構築するところから始めて次に毎日の食事をより良いものにするよう働きかけていくことが大切になると思います。端的に言えば「毎日美味しくご飯を食べているうちに、気付いたら健康になっている」という状態を目指すことが大切だと思います。より健康になるための手段としての栄養指導ですね。同様に医療も看護も介護も全て手段の1つです。

今回も初参加の方が多く、8名もおりました。内訳はケアマネージャー、薬局薬剤師、地域包括支援センター職員、言語聴覚士、訪問診療同行看護師、訪問看護師、施設看護師と多岐にわたっていました。是非とも緩く繋がって、お互いの出来ること・出来ないこと、得意不得意、制度の限界、新しい情報や知識などを知り、顔だけではなく腕や腹も見える関係を作っていけたらと思いました。

次回の定例会は小澤 朋和さんによる歯磨きの話です。

2018年3月10日更新

顔の見える関係を作ろう

2/9は「顔の見える関係を作ろう@藤沢」定例会第30回でした。

今回は初参加が5名、いずれも事務局員ではなく普段の参加者が紹介してくださった方でした。内訳は作業療法士が2名、看護師1名、ケアマネ1名、歯科広報1名と多岐に渡っていました。また、今回は4月に新規の訪問看護ステーションを立ち上げる方が4名もおりました。開設前から既に地域の様々な場所で対人支援を行っている人と顔が繋がることは、質の向上に繋がると思います。参加者も徐々に藤沢市北部から大和市の方が増えてきている印象です。

今回の勉強会のお題は「訪問看護」でした。訪問診療を日々行っていると訪問看護の必要性を切に感じますが、患者や家族からはその必要性を感じていない、重要だと思っていないことが多く、そのギャップに悩まされる場面がしばしばあります。どうやらそれはケアマネージャーや地域包括支援センター職員も感じる場面があるようです。他職種の話を聞くことで視点が増えるという感覚は常に大事だなと思います。

衝撃的だったのが、訪問看護の必要性を主治医が訴える場面の方が少ない、ということ。医師から訪問看護をいれましょう、と説明することが圧倒的に多いものだと思っていただけにカルチャーショックでした。訪問看護指示書の内容をケアマネージャーは見ることができない、ということがケアマネージャーとしては困るというのも今までに無い視点でした。

在宅医としては、医師からケアマネージャーまたは本人・家族に対して訪問看護の重要性・必要性を説明して導入することが多いため、今回のように他職種で意見の交換をすることで「自分にとっての常識は他人にとっての非常識」と感じるキッカケとなり、大事だなと思いました。

次回、来月の定例会は「在宅医療における管理栄養士の役割」について、鈴木洋子さんにお話して頂きます。

2018年2月12日更新

常識を疑うこと

本日は古本さんが主催する「第45回快護幸友会(勉強会の部)」で山出さんの前座として低栄養のお話をしてきました。

●今までの常識を疑うこと
●まず「この人は低栄養ではないか」と疑うこと
●単一の指標で低栄養と確定出来るものではないこと
●単一の職種で解決できる課題とは限らないこと
●常に疑問を持つこと
●勉強し続けること

様々な項目に当てはまることですが、土台として大事な意識だと思います。

後半の山出さんのお話は「シーティング」でした。山出さんのお話を聞くのは3回目ですが、毎回痛快です。今までの常識を疑い、常に疑問を持ち、それを解決するために勉強し続けること。そのスタンスは共通したものでした。

そして根拠のない誤った知識や技術が横行しているために過用誤用を産み、二次障がい三次障がいとしての筋緊張亢進や関節拘縮、そして骨盤の歪みや褥創などの遠因となり、介護する側の負担が増し、何より御本人が非常に辛い思いをするという流れを理解するだけでも、日々の介護方法は変わっていくのではないかと思います。

講演の後に実演があるのは毎度のことですが、実際に自分が経験すると普段行っている介護方法に疑問を持つ良いキッカケだと思います。自分ごとにすることはとても大事ですね。

山出さんの方法が唯一無二の正しい介護方法というわけでは無いでしょう。今後また徐々に変化していくでしょう。昨日の常識は明日の非常識かもしれません。目の前の人がより良い方向へ向かうにはどのようなアプローチが良いのか?を毎日考え続け勉強し続けることが対人支援職として必須の姿勢ではないでしょうか。

個人的に心に残ったセンテンスに「イベント支援ではなく営みの支援」「想いを語るだけではダメ」を挙げたいと思います。在宅医療の世界にいると線や面ではなく点の支援になっていると感じることが多々あります。また様々な講演・研修・書籍で「想い」に触れる部分も多々あります。「想い」だけでは「素晴らしい」「良いことやってるな」で終わってしまい、明日から具体的にどうすればいいのか?を考えるキッカケにならないかもしれません。

これからもご要望あればこういった発信の場面を設けさせて頂けると嬉しいです。主催の古本さん、いつもありがとうございます。堀江 康子さん、写真を使わせて頂きました(事後承諾ですがw)。

2018年1月28日更新

認知症を知ろう

昨日は鵠沼社会福祉協議会からご依頼を頂き、認知症を知ろうというお題で市民公開講座をさせて頂く機会を戴きました。地域に住む150名弱の方が来てくださいました。
 
認知症についてのお話は今年度3回目、2月にもう1回ありますので今年度は合計4回話すことになっています。介護施設での職員研修も1回やりましたので合計5回ですね。数年前から同様の機会を度々頂いていますが、話す度に新しい知識や取り組み、情報が増えていき話す内容にも拡がりが出てきています。
 
添付した2枚目の写真は、僕の外来に昨年から通院し始めた方が常に身に付けている腕章です(もちろん、ご本人とご家族に腕章をつけること、この内容にすること、市民公開講座など研修で公表するスライドにいれることはご了承を頂いています)。この方はADLが保たれた前頭側頭型認知症で、時々かなり遠くまで出かけてしまうことが度々あります。そういったことが続いた時にご家族と相談して練った案がこの腕章です。これを装着し続けているお陰で見ず知らずの方が声をかけてくれたり、駅員や警察官からご家族に早めに連絡が行ったりと、ご家族とご本人の助けになっています。
 
スライドの最後にこの腕章を出し、これを見て恥ずかしいと思う方がいるかもしれませんが、認知症になることは恥ずかしいことではないし誰しもがなり得ること、発症してもご家族ご本人だけで抱え込まずに周りに積極的に打ち明けて少しでも助けてもらうような繋がりを作ることが大事、という話をしています。少しでも多くの人が偏見を捨て、正しい知識を持つことが出来るようにこれからも発信を続けていきたいと思います。
2018年1月21日更新

暮らしの保健室

「訪問看護と介護」1月号にココロまちの「暮らしの保健室」が掲載されたようです。掲載されるほど定期的な開催をしていなければ、活動内容もさほどアップしていないのですが、タレコミしてくれた方ありがとうございます。

2018年1月16日更新

顔の見える関係を作ろう@藤沢

昨日は「顔の見える関係を作ろう@藤沢」定例会でした。2018年で4年目に突入となりました。

今回は初参加の方が6人もおりました。だいぶケアマネージャーの方が増えて、参加者の約1/3を占めていました。他には薬剤師がようやく少しずつ増えてきたことがありがたいです。

勉強会のお題は「指定難病について」でした。本会では久しぶりに事務局である自分と廣田さんが話しました。難病は緩徐に進行し不可逆的経過を辿り、完全な治癒が見込めないことの多い希少疾患なので、医師が医学的に出来ることは限りがあります。その分様々な職種が様々な視点と知識と技術を合わせて、本人と家族を支え続ける、伴走するパートナーであり続ける必要があります。その為に必要な制度、最低限の医学的な知識などを共有したいと思いお話をしました。

会自体は22時で一旦締めるのですが、昨日はその後も盛り上がり結局23時過ぎまで皆和気藹々としていました。現場で働く人たちにとって、知識や技術を学ぶ場はもちろん必要でしょうがそれだけではなく、仕事に関する「あるある」な話や困ったことを気軽に相談出来る場も必要ではないかと思います。本会はそういった緩い場を設け続けられたらと思い、今年も定期的に開催していきます。よろしくお願いします。

2018年1月13日更新

顔の見える忘年会

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「顔の見える関係を作ろう@藤沢」

12/8(金)は忘年会でした。この会は毎月第2週金曜日に「飲み会(メイン)+勉強会」というスタンスで始めて今年で丸3年になります。毎回数名初参加の方がいらっしゃってくれたお陰で、3年間で参加者は150名程になりました。職種としてはケアマネ、看護師、セラピストがメインですが介護職や医師、薬剤師、管理栄養士など在宅医療に関わる様々な職種が参加してくれています。

本会が最も力をいれているのは「緩い繋がりを作ること」です。どの地域にも多職種連携を謳う様々な集まりがあり、それぞれに特徴があります。比較的硬い、勉強がメインで敷居が高いと感じる方は少なくありません。「現場の人間が緩く繋がりあって『顔の見える関係』を作り、ついでに少し学ぶ」といったコンセプトの元、仲間と場所に恵まれブレることなく今まで一度も途切れることなく続けてくることが出来ました。

業務だけではなくプライベートでも繋がった方もいますし、就職先が本会の中で見つかった方もいます。仕事の中で元々繋がっていた関係がより強い結びつきになった方もいます。色々な面でプラスになったと感じてくれる人がいてくれれば、この会を続けている意義があるというものです。

人口減少社会に突入していく中、医療介護職の絶対数がどのように推移するかについて楽観的に考えることは出来ませんが、爆発的に増えることは考えにくいです。そんな中まず出来ることは、既に現場で様々な想いを持って日々対人支援している人同士を緩く繋ぐことで、お互い知識や情報を共有したり、学び合ったり、楽しい時間を設けたりすることでモチベーションや質の向上に繋げることではないかと思います。次の段階としてお互いの得手不得手を理解して、職域を超えた関わり合いをすること。さらにその次に「顔の見えない関係」にある人とも同様に連携出来るようになること。沢山の繋がりが今後必要になっていくと思います。

医療介護職だけで繋がっても出来ることには必ず限りがありますので、今後はさらに拡がっていければと思いますが、規模が大きくなることで根っこの部分がブレてしまうことは絶対に避けたいので、事務局の中で検討を繰り返していこうと思います。

参加してくださった皆様、ありがとうございました!

2017年12月11日更新

介護初任者研修

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本日は昨年に引き続き、介護初任者研修で講師を務めてきました。今年は昨年に比べて非常に受講生が多く質問も多く盛り上がりました。

専門職として発信が大事であることを常々感じており、専門職になる前の教育が大事であることも強く感じていましたので、このような大役を頂き感謝しています。この大役を務めたお陰でICIDHとICFについて書籍を購入して学ぶ機会を得て、しかも今年勉強会でさらにブラッシュアップされたため自分自身にとっても良い学びとなりました。

今後もこういった発信は続けていきたいと思います。

2017年12月2日更新

共催事業21世紀かながわ円卓会議 かながわから「頼り合える社会」をつくるために

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21世紀 かながわ円卓会議

11月11日葉山町の湘南国際村センターにて、NPO法人ココロまちが共催している事業『かながわから「頼り合える社会」をつくるために」と題したイベントがありました。法人代表の加藤忠相がディスカッション討議者として参加しています。

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モデレーターの慶應義塾大学教授の井手英策さんによる財政学の視点から趣旨説明がおこなわれました。趣旨説明の題は  『「経済」の視点からみた地域社会』というテーマです、経済に「」がついているのですが、本来的な意味と現代における経済の考え方の乖離があるためでした。日本社会では「経済の失敗=道徳的失敗」になってしまうことや、憲法における(25.27条)「働かざる者はくうべからず」という自己責任が強要される国であることを皮切りに経済時代の終焉、自己責任社会の黄昏などのキーワードが出てきました。そもそも経済とは何か?カール・ポランニーによるところの「人間に物質的欲求を満たす手段を提供すること」とされています。つまり①互酬…相互扶助・助け合い ②再分配…ルールに従って地域資源を構成員に再分配 ③交換…売り買い    ・・・つまり③にだけ注目してきた自己責任社会が経済とされてしまっているのが今日の現状であるということ。 翻って「財政」とはなにかといえば「公共の経済」つまり互酬と再分配を意味するということがスタート地点でした。

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それらの例示から討議者のすわる中央の円卓だけでなく、参加者全員がディスカッションする形式で10:15~16:20まで御昼ごはんも円卓に座り話し合う形式です。モデレーターの井手さんが冒頭「今日はひじょうによい結果を得られるような気がする」とスタートした通り、中身の濃い円卓会議となりました。

2017年11月12日更新

障がい福祉サービス

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事務局の一員を務める「顔の見える関係を作ろう@藤沢」
第26回の定例会でした。
本日の勉強会のお題は「障がい福祉サービス」でした。

介護保険、国民健康保険には慣れた方が多いですが、意外と障がい福祉サービスについては馴染みのない方が多いです。障がい者手帳受給からサービスについての話まで、伏見さんにお話して頂きましたが…何度聞いても難しいです。介護保険サービスと似た部分とそうでない部分、両者を利用出来る状況になった場合にどうするのか、一家の中で複数の方にそれらのサービスが必要と感じる場面でどこから手を付ければいいのか、等話題が尽きることはありませんでした。現場で日々動いている立場だと常に疑問を持つことは当然であり、それを職種や立場を超えてぶつけ合える場は貴重ではないかと思います。その意味で、この会の取り組みは上手くいっていると感じています。

既存の制度は高度経済成長期の社会をベースに作られてきたものが多く、人口減少社会・超高齢化社会へ突入する未来において望ましいものではないことは誰もが感じているでしょう。しかし、いくら制度を変えても悩ましいケース、制度だけではどうにもならないケースが多々あります。多様化していく人を支えるには制度だけでは限界があります。まず制度の出来ることと出来ないことを知るところから始まり、出来ないところをどのように支えていくのかを皆で頭を悩ませながら考え続けることが必要になっていくのではないでしょうか。その時必要なのは知識・技術・経験だけではなく、専門職同士の繋がり、専門職と非専門職の繋がり、非専門職同士の繋がりだと思います。これは一朝一夕に出来ることではありません。本会は今後も「人と人との繋がり」を作ることを目指して、地道に継続していこうと思います。

次回は榊原 正博さんによる「ICF(国際生活機能分類)」のお話です。在宅医療に携わる立場の人にとっては必須の考え方ではないでしょうか。ICIDH(国際障害分類)の発想を在宅医療に持ち込む人はまだまだ多いように感じるので、是非ICFを共通言語にする人が増えていけたらいいなと思います。

2017年9月9日更新