カテゴリー別アーカイブ: ココロまちスタッフより

顔の見える関係を作ろう

11/9(金)は自身が事務局の一員を務める「顔の見える関係を作ろう@藤沢」の第39回定例会でした。今回初参加の方は7名、歯科医師と歯科衛生士、訪問看護師、そして医師でした。毎回安定して新規の方が来てくださるのは大変ありがたいことです。

今回の勉強会のテーマは「認知症の人への接し方」、講師は内門先生(Hirotake Uchikado)でした。認知症だから特殊な対応が必要、というわけではなく人への接し方について学ぶ場となりました。自分の精神状態を余裕を持った状態に保つこと。誰しもあるであろう、かつての輝いていた時代の話をするのが大事であろうこと。社会と繋がっているという自覚が非常に大切であること。書き出すとキリがありませんが、非常に心に残るお話を聞くことが出来ました。

上記とは別の話ですが、この会でできた繋がりが6月に開業してから日々の訪問診療の中で非常に光っています。今まで疑問に感じていたことが氷解したり、やろうと思っていても出来なかったことが出来るようになったり、思ってもいなかった支援が出来るようになったり。様々な繋がりが出来ることで多様な方への多様な支援の引き出しが増えていく実感が、参加者の皆さんの中で芽生えてくれればこの会をやっていて意味があったなと思います。

今回で今年の定例会は終了です。来月は忘年会となり、1月からは5年目に突入します。定例会も節目の40回目となります。第40回は再び生活保護について学びます。今度は講義ではなく、ざっくばらんな質疑応答がメインとなります。どのような内容になるか今から楽しみです。

2018年11月11日更新

顔の見える関係を作ろう

昨日は自身が事務局の一員を務める「顔の見える関係を作ろう@藤沢」の第38回定例会でした。今回は初参加の方が4名(理学療法士、歯科衛生士、歯科助手、ケアマネージャー)でした。毎回一定数の初参加者がいらっしゃるのは大変ありがたいことです。

今回の勉強会のお題は「コミュニケーション」講師は林 英奈さんです。偶然にもこの日が誕生日で、会終了時にケーキとともにお祝いをさせて頂きました。

コミュニケーションは対人支援に携わる全ての人にとって大切なことだと思いますが、少なくとも僕自身は卒業前にコミュニケーションの授業を受けた記憶がありません(同期で「いや、あっただろ」というツッコミがある方はスルーしてあげてください…覚えていません)。しっかり勉強するようになったのはこの4-5年です。その間にオープンダイアローグやユマニチュードといった技術についての学びを得る機会がありました。学べば学ぶほど、こういった技術はあくまで引き出しの1つ、選択肢の1つであり唯一無二の方法ではないということを実感してきました。そして、こういった技術はそもそも土台の部分がしっかりしていないと活かせられないということも実感してきました。今回、林さんにはその土台の部分をお話して頂き、話だけではなく簡単なワークを通じて参加者全員に体験をしてもらいました。

日々の自分たちの関わりを質の高い物にするためには、知識や技術だけではなく人としての土台の部分がとても大切だと感じています。今回の定例会ではそれをみんなで共有することが出来たのではないかと思います。

来月、第39回は内門先生(Hirotake Uchikado)をお招きして「認知症の人への接し方」についてお話して頂こうと考えています。再来月はもう忘年会ですね。

2018年10月13日更新

最期について考える

9月20日(木)「住み慣れた地域で最期まで暮らすために~在宅医療との上手な付き合い方~」というお題でお話させて頂きました。

2年前にも藤沢市からの依頼で同じお題でお話をさせて頂きましたが、2年の間に在宅医としての知識と経験を積み、制度とその変化を知り、全国津々浦々の在宅医療について知ったことで今回の話の内容は2年前とはだいぶ異なるものになりました。

在宅医療だけではなく介護にも言えることですが、今まで発信の不足や質についての検討が置き去りになってきていることなど、共通の課題があります。お互いに発信の機会は以前よりもかなり増えましたが、どうしても発信の内容には偏りが生まれがちです。具体的に言えば良い部分ばかりがクローズアップされやすいと思います。しかし現実には、当然ですが良い部分ばかりではありません。今回は良い部分だけではなく悪い部分、今なお抱えている課題やできていないことについてもお話しました。

今回最も強調した部分は「自分事にする」「自身の最期について考える、考えを周りに伝える」ことです。他にも色々とありますが…医療介護の専門職がいかに振る舞おうとも、最も大事なのは「先生にお任せします」という発想を止めることだと思います。死をタブー視しない、ということですね。子どもの頃からの教育にも当てはまることだと思います。

終活セミナーというネガティブなイメージを持たれがちなセミナーにもかかわらず用意された座席がほぼ満席になり、関心の高い方が多いのだなと感じました。関心がない方にも伝えていくために、地道ですがこういった市民公開講座の依頼はできるだけ続けていこうと思っています。

2018年9月23日更新

顔の見える関係を作ろう

昨日は自身が事務局の一員を務める「顔の見える関係を作ろう@藤沢」の第37回定例会でした。今回も初参加の方が多く、職種も看護師、薬剤師、作業療法士、理学療法士、ケアマネージャーなど多彩でした。久しぶりの参加の方もいらっしゃいました。

今回の勉強会は「リハビリテーション栄養」で、講師は藤沢湘南台病院の中島 活弥先生にお願いしました。栄養なくしてリハビリテーションなし。生きる人全てに対して栄養へのアプローチは大切ですが、病院を始めとする現場ではなかなかそれが行き届いていません。診療報酬の整備も追いついておらず重要性の周知には時間がかかりそうです。

大切なことは、低栄養やサルコペニアに対して栄養状態の改善や筋肉力の増加を目指すことは目的ではなく手段の1つに過ぎないということです。特に専門職は目的と手段が逆転していないかを常に考える必要があると思います。

次回第38回は「コミュニケーション」について林 英奈さんにお話して頂きます。コミュニケーションにはユマニチュードやオープンダイアローグなど様々な技法がありますがいずれも手段の1つに過ぎません。対人支援を行う全ての人にとって、コミュニケーションの特殊な技法ではなく基本的に大切なことをみんなで学びたいと思います。

2018年9月15日更新

在宅医として薬剤師に求めること

7月11日(水)に横浜市泉区薬剤師会から依頼を頂き、薬剤師会の研修で「在宅医として薬剤師に求めること」というタイトルでお話をさせて頂きました。このようなお題でお話するのは今回初めてです。

在宅医としては非常勤医として約1年半、常勤医として約2年という短い期間しかまだ働けていませんが、自分なりに自分自身に対する課題、藤沢市の在宅医療の現状と課題、日本全体の在宅医療の現状と課題を見て、聞いて、考えました。それらを整理しつつより良い方向に持っていくための案を自分なりに考え、独立開業と同時に実行に移しました。今回、その案のうち薬局の薬剤師に提案して実行しているものを紹介させて頂きました。聞き手に同業者がいない条件の中なので割と過激な発言もしましたが、薬剤師の皆様にはかなり共感して頂けたようでホッと胸をなでおろしています。

薬局と薬剤師には処方箋のやり取り以外にも出来ることが沢山あります。その提案をしたくてもできない現状にあり悶々としている薬剤師はきっと少なからずいるでしょう。悶々としている要因うちかなりの割合を、我々医師が占めていることでしょう。自分も在宅医になる前は知りませんでしたし、なってしばらくして実務ではなく本を読んで初めてそういった現状と可能性について知りました。やはり教育の面からアプローチしなければならないなと感じます。

薬剤師は他の専門職同様に高い専門性を持ち、しかもコンビニ以上に沢山あり、毎日多くの人が集まる場所のため予防的関わりや栄養学的なアプローチなど様々な可能性があります。これを促進するような関わりができればと思っています。薬局同士の横の連携も出来ると良いでしょう。そのためにはまず薬局と薬剤師の可能性を多くの人に知ってもらうことが大切だと感じます。

そんなわけで、開業約1ヶ月の大変忙しい時期に講演の依頼を受けたことについて若干後悔した時期もありましたが、終わってみればやって良かったと思います。今まで月1ペースで講演を主とした発信の機会を頂いてきていますが今後も出来る限り続けていこうと思っています。

とりあえず、現時点では執筆依頼1件と講演依頼4件を頂いているので1つずつ余裕を持って資料を作成していきます。今回はだいぶきつかった…

2018年7月16日更新

顔の見える関係を作ろう

昨日は「顔の見える関係を作ろう@藤沢」の第35回定例会でした。今回は初参加の方が6名、その内訳は介護福祉士、看護師、医師、障害者施設職員、作業療法士、鍼灸マッサージ師と多岐にわたっていました。他の参加者も、上記職種以外に管理栄養士、薬剤師、ケアマネージャー、地域包括支援センター職員、歯科医師、歯科衛生士など非常に多彩でした。

今回の勉強会は伏見 康一さんによる発達障害の話でした。

最近いくつかの事件において、マスコミの偏った報道によって発達障害者は犯罪者というレッテルを貼られやすい、大変誤解を招きやすい状況にあります。共生型サービスという単語が独り歩きし中身の伴っていない状況です。字面で理解しても心で納得、落とし込めないと多様性を受け入れることのできる社会にはなりづらいでしょう。やはり教育へのアプローチが大事だなと感じます。毎年伏見さんのお話を聞かせてもらっていますが、聞く度に新しい学びと振り返りを得られて大変貴重な場となっています。自閉症やアスペルガー症候群は特性であって発達障害ではなく、社会や環境によっての二次障害が発達障害であることは大変重要な部分だと思いました。

次回の第36回は毎年人気のお題、藤沢市のCSWの活動についてと生活保護についての2本立てです。鈴木 克典さん主催の藤沢本町学習茶会と共催を予定しています!

2018年7月15日更新

顔の見える関係を作ろう

昨日は「顔の見える関係を作ろう@藤沢」第34回の定例会でした。勉強会のお題は「薬剤師による居宅療養管理指導」で、ガーデン薬局の中村洋明さんにお話して頂きました。

薬剤師による居宅療養管理指導を利用者さんに説明をすると「薬を持ってくるだけなのにお金を取られるのはちょっと」ケアマネジャーからは「介護保険の点数が足りないので無理」という声が聞かれることがしばしばあります。実際には、薬剤師の仕事は薬を運ぶだけではありませんし介護保険の点数がギリギリであるうが利用することは可能です。

在宅医として薬剤師による居宅療養管理指導に求めることには

・病状だけではなく、性格や人生観、価値観、経済面なども考慮した上で医師に処方の提案をする
・エビデンスに基づき薬剤の変更や減量、中止の提案をする
・吸入薬や点眼薬、点鼻薬などのデバイス操作を指導、評価する
・残薬を数えるだけではなく、なぜ残ってしまうのかをともに考えるチームの一員となる
・薬以外に医療材料の提供や日常的に使う介護用品、栄養補助食品などの提案や助言をする

があります。薬局は数こそコンビニと同等かそれ以上にありますが、ここまでできる、やろうと頑張っている薬局は少ないのが現状です。だからこそやろうと頑張っている薬局とは連携してお互いの質を高め合う関係性を構築・維持することで、在宅医療の質の向上と目の前の方への最適な選択肢の提示、人生を支えるお手伝いができると思います。

次回第35回の定例会は毎年恒例のお題「障害福祉サービス」です。講師は伏見 康一さんにお願いしています。

本会は職種領域を超えて緩く繋がり、本音を言い合いモチベーションの向上や知識・技術・情報などの共有、顔の見える関係性を作ることで、目の前の人によりよい提案ができるようにするための会です。参加資格は特にありません。参加してみたいという人はメッセージをいただくか、周りに参加予定の人と一緒にご参加ください。

2018年6月9日更新

全ては目の前の人のために

2018年6月1日
神奈川県藤沢市用田に「ココロまち診療所」を開設しました。

独立開業を考え始めて約4年、決意が固まってから約半年、非常に多くの人の繋がりと支え、助けのお陰でこの日を迎えることができました。「生き辛さ」を抱えた人たちの力になれるよう、医療だけではなく様々な引き出しを持ちつつ楽しく緩く続けていければと思っています。

2018年6月2日更新

社会福祉士の可能性

本日(もう昨日ですが)は神奈川県社会福祉士会湘南東部支部からご依頼を頂き「『地域で最期まで生きる』を支える~在宅医療の現場から社会福祉士に伝えたいこと~」というお題で75分(本当は60分のはずが収まりきりませんでした)お話をさせて頂きました。

社会福祉士の方々を相手にお話をする機会は初めてでしたし、医療職としてお会いする機会の多い社会福祉士は医療機関や介護施設の相談員が多く、他の領域で活躍する社会福祉士の活動を直接は知らない部分もあり、依頼を頂いた時正直言ってどんな内容の話をするか悩みました。

事例を交えて欲しいとの希望もあったので、悩んだ結果自分が一体どうして医師を志したのかから始まり、医師としてどのような軌跡を歩んできたのか、どのタイミングで何を考え何をして、その結果今後何をしていきたいと思っているのか、そしてその軌跡の中で会ってきた印象的な人たちを少し交えながらお話していたらあっという間に時間が過ぎていきました。その後の質疑応答ではとても現実的な、現場で悩みながら奮闘していることが分かる質問が多くありました。

お話の中でも述べましたが、単独の職種や単独の領域で解決できる課題には限りがあります。医師は比較的、場面によっては単独で解決できる課題が多いかもしれませんが高齢化社会ではその場面も限定的です。以前とある医師から「医療をちゃんとやろうとすればするほど、医療以外の繋がりが必要であることに気付く」と言われましたがまさにその通りだと思います。医師になって11年目、その中でこういったことに気付くキッカケを与えてくれた人が何人かいますが、人との繋がりや顔の見える関係が大事であることが、自分の過去を振り返ってみても実感できました。

今日最も伝えたかったことは

・組織や制度の外に出ることの大切さ(組織内、制度内で解決できることには限りがある。窓口に来ることができる人は一握り)
・誰にとっての「支援」なのかを考えることの必要性(ごみ屋敷のごみを片付けることは本当に本人が望んでいることなのか。支援者の思い込みではないか?そもそも本当に「ごみ」なのか?)
・外に出て仲間を探すことの大切さ(1人で出来ることには限りがあっても、人と人との繋がりがあればできることは増えていく)
・専門職の前に人として、まずは味方になること。そして見捨てないこと(押し付けがましい支援は嫌がられる。それを「拒否」と表現することは本当に正しいのか?相手の意識や行動を変容させるには信頼関係構築が必須)

です。もっと話したかったことはたくさんありますが、社会福祉士という「なんでも屋」との繋がりが様々な可能性を生み出すのではないかと思いました。

写真はKuranishi Takaoさんが撮ってくださったものを拝借させて頂きました!

2018年5月20日更新

薬はリスク

5月13日(日)「認知症と薬」というタイトルで約75分間お話をさせて頂きました。参加してくださったのは地域の専門職の方だけではなく、当事者の方や当事者家族の方も半数近くいらっしゃいました。

全ての立ち位置にいる方にお伝えしたかったことは

・薬はリスクとなり得る
・市販薬を服用する前に主治医に確認
・急に状態が変化した場合、薬の影響ではないか?と疑うことが大事(市販薬や、内科以外で処方された薬含めて)
・普段の様子を医療従事者に伝えることが大事

です。
5種類を超えて薬を飲むことで副作用リスク等が高まる恐れがあることが分かっており、認知症の面以外でも「不要と思われる薬を減らす」という視点が大切になります。昔からずっと飲んでいる薬、なぜ飲んでいるのか分からない薬、余っていていつも飲めていない薬は不要である可能性が高いです。

医療によって100%解決しない疾患が増えていく中、相対的に医療の役割は小さくなっています。大きな役割を占めるのは必然的に医療以外の職種であり、多職種連携が必要なのは自明の理です。こういったことを伝える場が少しでもあればと思います。

このような場を与えてくださった株式会社NGUの山出 貴宏さん、川辺文枝さん、山口明美さん、篠田 佳明さん、西田大輔さん、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

2018年5月15日更新